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シングルフォリキュラユニット(以下SFU)が貴方にとってベストのグラフトサイズでしょうか?
A.1995年にNew Hair Instituteがフォリキュラユニット(以下FU)のコンセプトを紹介して以来、植毛技術はグラフトのサイズの変化により進歩してきました。我々が
グラフトのサイズについて論じるとき、FUは最も一般的によく使用される用語と なりました。殆んどの人が植毛にはFUが最も適していると信じています。しかし
本当にFUがどの患者にとっても最も適したサイズといえるのでしょうか。
患者さんがクリニックを比較する際FUを基準にするようになりました。FUが 紹介されてから8年が経ち、今では多くのクリニックが100%FUを使って植毛す
ると患者さんに言わざるを得ないようにさえなっています。ここでは、100%FUを用 いることが本当にベストであるのかどうか改めて見てみましょう。まずFUがベストであると
する医師の主張を検討してみたいと思います。
主張1:FUサイズの傷口は最小限である。傷口が大きいと治癒する時間がなが
くなり皮膚の表面が平らでなくなる。
主張2:SFUでない場合、皮膚をパンチかレーザーを使って取り除くことにな
る。
主張3:ドナー部分の50%は表面上毛髪のない(見えない)皮膚であるため、その
部分を切除すると手術の結果に大きな影響を及ぼす。
主張4:SFUより大きなグラフトは一塊の束のように見える。
B.私達では、3つのサイズのグラフト、マイクログラフト、FU、MFU(モディファイドフォリキュラーユニット)を使います。マイクログラフトとSFUは生え際に
のみ使い、それ以外にはMFUを使います。 SFUではなく何故MFUなのでしょうか。そのメリットは何でしょうか。
主張1に対する答え:
SFUのスリットを作るとき大抵の医師は直径1.26mmの18ゲージの針を使用します。直径1.08mmの19ゲージの針を使う医師もいます。だから19Gの針で2つスリットを開けると2.16mmとなります。しかし私達はSP91ブレイドを使い直径1.97mmのスリットを開けます。つまり私達のMFU1つ分がFU2つ分ということになります。以下、1000グラフト分のスリットの長さの比較をしてみました。
器具 |
サイズ |
直径(mm) |
1000FUの長さ |
深さ |
B.D.Needle |
19ゲージ |
1.08mm |
1080mm |
毛根のある位置より深い |
B.D.Needle |
18ゲージ |
1.26mm |
1260mm |
同上 |
ミニブレイド |
SP91 |
1.97mm |
985mm
(MFU500株分) |
丁度毛根のある位置まで
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ご覧のように19G、18Gの針、SP91ミニブレイドを使った1000グラフト分の長さは、それぞれ1080mm、1026mm、985mmとなります。SP91ミニブレイドでできる傷口が
最小であることが分かります。従って治癒する時間も早いということになります。

更に傷口のサイズについては、その長さと深さを考慮しなくてはなりません。植毛をする際は特に深さが重要です。下の図を見ても分かるように微小血管は毛根のすぐ下にあります。切り込みが深すぎるとダメージを与えることは避けられません。新しく移植した毛髪を育てるためには、周りの組織に与えるダメージを少なくする必要があります。

19Gや18Gの針は切り込みの深さをコントロールできないため、深くなりすぎたり浅くなりすぎたりする可能性が大きいといえます。
切り込みが毛根より深いと微小血管を傷つけることになり、一方浅すぎるとグラフトの挿入が困難になります。その点、ミニブレイドでは下の写真のように毛髪のサイズに丁度合わせることができ、切り込みの深さを調節することができます。

主張2への答え:
ミニブレイド(レーザーでもパンチ式でもありません)を使って私達はハイレベルの結果を出しています。余分な組織を切除することはありません。一方、18Gや19Gでは針の穴のせいで組織を取ってしまうことがあります。針の穴に詰まった取らなくてもよいはずの組織を頭皮から取ってしまうということです。
主張3への答え:
ドナーの皮膚片(写真、上)を見て下さい。皮膚のうち毛髪が見えない皮膚の部分が少なくとも50%は占めています。他の研究によれば、10%以上の毛髪が休止期にあるため目に見えないと言われます。つまり、毛髪が目に見えない部分の皮膚を取り除くと自動的に10%の毛髪を失うことになります。
2001年11月のポーランドのコラシンスキー医師の報告によれば、毛髪が目に見えないグラフトを15個植毛した結果、7ヵ月後にはそれらのグラフトから35本の毛髪が生えてきました。驚くべき事に、毛髪が見えないグラフトからそれぞれ1〜3本の割合で生えてきたということです。この研究報告から、私達は最善の植毛方法とはどの組織も排除せずに移植部位にドナー部分を100%植え込むことであると結論づけられます。毛髪が目に見えない組織というのは、今日では組織に毛髪が全く存在しないということではなく、単にはっきり毛髪が見えないということを意味しています。
主張4への答え:
私達のグラフトサイズの基本はMFUで、SFUの2倍です。拡大された写真とビデオでその結果を見て下さい。束のように見えたり不自然に見えたりするでしょうか。紛れもなく、グラフトのサイズは束状や不自然な仕上がりを引き起こす大きな要素となります。しかし、もっと重要な要素は不均等なグラフトの分布とグラフト間の大きな隙間です。たとえ100%SFUの植毛だとしてもグラフトが十分に密集していないと結果はやはりプラグのように見えるだけです。
私達は過去10年間、束状の仕上がりしか得られなかった患者さんの修復手術を数百ケース行ってきました。直系4mmもの古いグラフトを植毛された患者さんに対して、これらの束状のグラフトを取り除く代わりに、出来る限りグラフト間の隙間を埋めるように植毛してきました。結果をご覧下さい。
患者さんの束に見えるようなグラフトを何一つ除くことなくグラフトの間を埋めています。(但し、生え際より低い位置に不自然に植毛された束状のグラフトは取り除きます。)
グラフト間の隙間を埋めることができどの部分も密度が等しくなれば、大きな束のようなグラフトを取り除かなくても自然に見えるようになります。このような方針に基き私達は不自然に見える植毛手術の修復を行ってきました。
C.FUの矛盾
くせ毛や白髪の患者さんには特にSFUのみを使用する事を勧めません。くせ毛は外側だけではなく組織の中でもくせ毛になっており、それらのグラフトを傷つけずに切るのは大変難しいからです。切れば切るほどダメージが大きくなるでしょう。又、白髪の場合は、顕微鏡を使っても大変見えにくいという困難な問題を引き起こします。白髪は組織と同じ色をしているため、丁度黒い紙に黒いペンで書くようなものです。白髪のドナーの皮膚片をどれだけ拡大してみても見えにくいものです。顕微鏡下でもはっきりとは見えません。従って、くせ毛や白髪のドナー片は切れば切るほど更なるダメージ引き起こすというリスクがでてきます。
D.比較研究
FUとMFUで処置をした場合の違いを見て比較してみて下さい。
E.結論
SFUを用いる目的は自然な仕上がりを得るためです。私達は生え際にはSFUを使いマイクログラフトをも使います。これは生え際を創る手段としては最善の方法だと言えます。しかし、密度について考えるとき、むしろMFUで残りの部分をカバーする方が良いと考えます。私たちの結論として、生え際にはより自然な仕上がりを得るためにSFUや時にはマイクログラフトのみを使用すべきですが、他のエリアには密度を高めるためにMFUを使う方が良いという事です。植毛の最終目標は誰にも気づかれないような自然な生え際のラインとそれ以外の部分には十分な密度を高めるという連合した結果を得ることではないでしょうか?
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